農薬について 私の考えと知ってほしいこと。

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農薬=悪?

突然ですが、
上の写真を見て この野菜買いたい!と思いますか?

野菜やフルーツは無農薬じゃないと食べない。可能な限り無農薬が良い。

こういった考えを持つ方はたくさんいると思います。
今日は農薬について私が考えることを書いていこうと思います。

鶏の話ではありませんが、
養鶏でもホルモン剤や抗生剤を使用するので薬の話は通じるところが多いです。

私は野菜やフルーツの農家ではありませんので、あくまで私の意見です。
間違えている情報や知識等があると思いますが、ご了承ください。

私も無農薬の方が良いです。でも・・。

当たり前ですが、私も無農薬が良いに決まっています。

ですが、農業に関わるようになって気づいた事

無農薬野菜・フルーツだけで生計を立てるのはかなり厳しいです。
手間が掛かるのに全く利益が出ません。恐らく皆さんが考えているより何倍も儲かりません。


正直自分も知りませんでした。無農薬ですることがこんなに難しいことを。

新規就農で良く無農薬野菜を作りたいという方がおられますが、
相当の決意がないとやっていけないと思います。

私の場合は、鶏糞を使って無農薬野菜を自分で食べる分だけ作っていますので、
形は全く関係ありませんが、それを売るとなると・・
卵を購入いただいている方は野菜も同様に購入いただくことがあるかも知れませんが、
全くのご新規さんにそれを売るとなると恐らく売れないと思います。

今年は、折角作った作物を猪やカラスに全てやられてしまい、
現在は心が折れて断念しています。笑

なぜ難しいのか?それは・・

無農薬で育てることの難しさ
①価格
②労力
③販売先
④差別化
⑤技術
私はこの辺りが無農薬の難しさに関わっていると考えています。

①価格
折角無農薬で作ったとしても価格を何倍も付加価値をつけて売れるのであれば別問題ですが、
農薬を使用している作物と価格の差がありません。
高すぎても消費者が買わないからです。

もう一つは、田舎の場合だと産直のような直売所で売ることになりますが、
直売所は趣味として野菜や果物を無農薬で育てている年配の方が多く、
年金をもらいながら趣味で作っているので、安価で直売所に置いているケースが多いです。
ライバルが多すぎるんです。さらに何十年と農業をされているので技術力もあります。

②労力
農薬をしていない場合、畑の土の質は時間を掛けて作る必要があります。
下手をすると何年も掛かります。

少しでもコントロールを間違えると薬剤を使用していないため
すぐに虫に食べられたり病気にもなります。

また、作物を作るたびに肥料を撒く必要があります。
しかも、私たちの鶏糞のように栄養が豊富で薬剤を使用していないような希少なものに限ります。

私の研修先に鶏糞を季節ごとに採りに来られる方がいますが、
1度に300キロ以上の鶏糞を詰めて帰られます。
しかもそれを畑に撒いていかなければなりません。かなりの重労働です。

私も鶏糞を詰める作業を手伝いましたが、真夏だと10分程で倒れそうになりました・・。
さらに除草剤も使用していないので雑草を切る作業も必要です。

他にも数えきれないほどの作業がありますが、ここらへんで。

ここまでしても価格はほぼ変わりません。

③販売先
通常JAやスーパー等で出荷するかと思いますが、
これらの出荷先は形を均一化する必要があります。

無農薬で育てた作物は均一化も難しく販売先にも苦労します。
農薬をしないと出荷できないケースもあるそうです。

結果として
ライバルの多い直売所
自分で販路(飲食店・個人宅など)を探す
加工品を作って売る
こういったところが主戦場となってきます。

私も販路を開拓するために飛び込みで卵を使いませんか?という営業をしていますが、
元々何年も同じところから仕入れている物をいきなり変えてくれるところ、
余程美味しくない限りほぼ有りません。
ましては単価が上がるとなるとさらに厳しいでしょう。

④差別化
消費者の方は農薬・無農薬に関して、なんとなく無農薬の方が良いと考えている方が大半です。

そういった方を無農薬がなぜ良いのか。
消費者にとって何のメリットがあるのか?
こういった訴求が必要となってきます。

昨今では情報発信の機会はたくさん有りますので、
いかに多く発信するかがポイントになるでしょう。
ですが、やはり直接伝えることが遠回りのようで一番の近道だと思います。

⑤技術
消費者の方は形が悪いものは絶対に買いません。
フルーツに関していえば、無農薬栽培はとてつもなく難しい+量を作れないので儲かりません。
人もフルーツが好きなように虫・動物・病原菌もフルーツが大好きです。
はっきり言って兼業しなければ、子どもを育てる私にとっては不可能です。生活ができません。

この5点以外でも、
鶏と違って外的要因に大きく影響されやすいことも有ります。

鶏は台風や豪雨が来てもそこまで大きな被害も有りませんし、
何より健康に育てていれば病気の心配も有りませんので薬の必要性が圧倒的に少ないです。

動物の被害も少し工夫すれば防ぐことが出来ます。

ですが、農作物は違います。
ちょっとした環境の変化で大きな損害になるケースもあります。
しかもその変化が圧倒的に予想しづらいです。

個人的に一番の難点は販売先だと思います。
仮に身近で応援してくれる方が100名いたとしても、
生活をするための収益としては全く足りません。

無農薬が普及するために私たちが考えるべきこと

農薬を使用しないといけないのは
私たち消費者の影響が大きく関わっている事を忘れてはいけません。

野菜の場合・・
形が悪いから買わない。
値段が高いから買えない。

フルーツの場合・・
甘くないといけない。
人にプレゼントするものは綺麗でなければならない。

このような心理になってしまって、
生産者の方々を苦しめてしまいます。

形が悪くても値段が少し高くても甘くなくても、無農薬だから当たり前という気持ちを
消費者全員が持つことができれば無農薬の作物がさらに普及するでしょう。

現実的にはかなり厳しいと思いますが・・。

結局何を選べば良いの?

農薬を使用しているから良くないと決めつけるのは間違っています。
農薬を使うには理由があります。

農薬は何を使用しているか。
その農薬がどういった役割で人にどのような影響があるのか?
一つ一つを明確に説明できる農家さん から買うべきだと考えます。
(中にはなんとなく使っている、他の人が使っているから使っているという方もおられます。)

自分の体は自分で責任を持って考えるべきです。
積極的に聞いても良いと思います。

また実際に畑を見学することも大事です。
どのように作られているのか。
見て感じることは多いはずです。

無農薬野菜を謳っておきながら、
畦の部分に除草剤を使っている方もいらっしゃるそうです。

そういった意味で自分の目で確かめることはとても重要でしょう。

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