続きです。
鶏との生活が自分にとって天職であり、子どもたちにとっても生きるために重要なことを伝えられると感じた私は養鶏農家になるんだという気持ちが自然と強くなっていきました。
次の課題は技術をどうするか問題でした。
覚悟を決めて養鶏農家になると決めたは良いものの、育てる技術がなければ話になりません。技術をつけるためにどこかで研修をさせてもらう場所を探さなくてはなりません。この時自分のイメージは、研修は自分のノウハウを他の人に教えることなので、受けて入れてもらうのはとても難しいと思っていました。
福岡県 佐賀県辺りの官公庁で鶏の研修先はないか聞いて回りましたが、
ケージ飼いはあっても平飼いの研修先は聞いたことがないという答えが大半でした。どうしようかと考えていながらも、自分の中ではTさんのところで研修させてもらいたいという気持ちがとても強くなっていました。
しかし、上でも書いた通り、凄い繊細な問題と考えていた自分は言うに言えずで迷っていました。
その間、何度も見させてもらったりお話を聞くたびにこの人に教えてもらいたいという気持ちが高くなっていったある時、聞くだけ聞いてダメだったら諦ようとメールをしてみると、意外とあっさり受け入れてくれることになりました。『鶏を飼うこと自体はそんなに難しいものではないが、体調が悪い時等の判断ができるかどうかが大事。とりあえず半年あれば独立できるよ』ということでした。ここから本格的に養鶏の道に進むことになるのでした。
2018年4月からおよそ半年間、Tさんの農場で技術を学びながら鶏の技術を学びながら、自然との関わり方、人との関わり方、生き方を学ぶことが出来ました。自分の価値観が変わる半年になりました。
元々人と協調して生きていくのが苦手だったので、一人で考えながら鶏と生きていくことのほうが合っていたのかも知れません。笑
その次の問題点
それはどこで養鶏を行うか問題です。
平飼い養鶏を行う場所にあたって大事な事は、 空気と水です。
上記の理由から平飼い養鶏をしているところは自然と山奥だったりするのです。
特にここでしたいという場所もなかったので、 再度各市町村に行ってみて、土地がないか聞いて回りました。
皆さんはイメージとして土地なんてどこでもあるだろうと思うかも知れませんが、畜産を行うとなるとできる土地はほとんどないと思っても良いと思います。
そもそも突然行ってもどこの者かも分からない人に貸してくれる人は少ないでしょう。あるとすれば田畑にも家にも隣接していない場所くらいです。それを探すこと自体が難しいです。家畜のイメージとして騒音・臭いがありますので、やはり近隣の方は嫌います。
そんな中でやっと1軒だけ使っても良いという物件が見つかり、そこに移住する予定でTさんのとこで研修を受けていたのですが、うきは市に来るようになってからうきは市がどんどん好きになっていったのでした。
水は全国でも珍しく井戸水が生活用水となっていたり、農産物が豊富で価格がとても安い。
そういった環境もあってか県外からの移住者(食べ物に気を付けている子育て世代、飲食店を別の場所でされていた方等)年々増えており、自分が土地を探していた田舎の中で一番活気があると感じた街でした。
人口が多くないので、町全体で盛り上げようとすると瞬発力があるように見えました。
ですが、何よりもうきは市にこだわった理由はTさんの存在でした。
相手に対して義理を重んじる方で、まさに人がどういう風に生きていくべきかを教えてくれるように思えました。
商品を販売するにあたっての考え方で一つ挙げるとすればとにかく行動してどうしようもなくなった時に周りの人は助けてくれるなどなど・・
とにかくこの人の近くで生き方を学びたいと思うようになり、うきは市での新規就農を夢見るようになったのでした。そんな中、作業をしているとTさんから『そういえば隣の土地の人が売りたいっていいよったよ』という情報を聞き、
冗談交じりで『それなら隣でしてもいいですか?』と聞いてみると・・。
これまた意外とあっさり『別にいいんじゃ~』との事でした。Tさんは元々うきは市にもっと平飼い卵を普及したかったという想いと土地を探す事の大変さが分かっていたので、 そういう理由も含めて承諾いただいたんだと思います。
その後、たまたま自分が研修していた時に利用していた民宿のオーナーの知り合いだったということもあり、 とんとん拍子で土地の話は進んでいったのでした。
さぁ土地も見つけたし、本格的に養鶏農家の道が進んでいてくわけですが、
次の問題に当たります。それは、前述した畜産に対するイメージを払拭いただくための住民への説明と土地の開墾問題です。土地を購入したは良いものの、購入した場所は何十年と放置された杉・クヌギ・笹竹の生い茂った山でした。
続きます。
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